8月の例会報告

Posted by <事務局> on 24.2015 月例会 0 comments 0 trackback
8月の例会では、インディペンデント映画祭で3本の韓国映画とその舞台挨拶、韓国ゲストカフェトークを楽しみました。

では、まず映画の感想から。

「親子」
アルツハイマーになった祖父とその息子である父を追ったドキュメンタリー。
時間がゆっくり流れている。
どこにでもある田舎の親子の生活を切り取った作品。
祖父は、もしかしたら、今が幸せかもと思わせる優しい映画。

「夜行」
朝鮮族の若い男がソウルに出稼ぎに来て、コンビニの若い店員に恋するお話し。
なんだけど、ちっともほのぼのしてなくて、とても暗くて堅い映画。
その雰囲気からハッピーエンドでは終わらないのが予定調和だと知りつつ、彼に感情移入してハッピーエンドを願ってしまった。
結果、彼は彼女に誤解されたまま不法就労で逮捕されてしまう。
心がシンとなるお話し。

「スイカ」
夫の実家を多一人で訪ねた出産前の若い嫁と夫の父親と弟の半日を描いた作品。
嫁は、夫の実家に行くため、待ち合わせ場所で待っていた。
そこに、夫からの電話。
「仕事で行けなくなったから一人で行って。」
「そんな、あなたが行こうと言ったんでしょう。一人でなんて絶対無理!」
でも、結局、大きなスイカを抱えて夫の実家を訪ねる。

夫の実家では、母親は、わかめスープだけを作ってお出かけ。
残されたのは、父親と弟。

そこに、嫁が大きなおなかとスイカを抱えて一人やって来る。
気まずい三人。

待てど暮らせど来ない夫に、電話で切れる嫁。
それを物陰から観る父親。
父親は、息子に電話で「おい、仕事もいい加減にしろ。嫁を大切にしろ。おなかがスイカみたいじゃないか。」

嫁は今日が父親の誕生日だと知り、ケーキを買いに出かけるが、具合が悪くなってしまう。
何せ、スイカの季節、夏だから。

日が暮れて、嫁も元気になり、父親と息子と嫁とで和やかにささやかな誕生パーティーをする。
庭の灯りが心にしみるラスト。

実は、父親が息子に電話したのがいつだったか、時間が経過しすぎて、記憶が曖昧になっています。

嫁姑あるある。
というか、特に仲良く離れなくても、これくらいの関係は保っていたいよねっていう映画。


三本の韓国映画が上映された後、舞台挨拶を経て、午後2時から韓国ゲストとのカフェトークが行われました。
舞台挨拶及びカフェトークに登壇されたのは、「夜行」のイ・サンヒョン監督と「親子」のユン・ジス監督。
お二人ともプサンの大学で学ばれた新進気鋭の監督です。
以下、舞台挨拶でのトークだったか、カフェトークでのトークだったか、記憶がかなり曖昧なので、まとめて記憶に残ったことを書こうと思います。

イ・サンヒョン監督は、プサンの東西大学イム・グォンテク芸術院で学ばれました。
そのことについて、主催者より質問があると、イム・グォンテク監督は名誉教授のような存在で、実際に教えてくださるのはその弟子に当たる方たちだというお話しでした。
トークの様子からは、映画からにじみ出る堅い拒絶感のようなものは感じられず、イム・グォンテク監督、キム・デスン監督を思わせるような物腰の柔らかい素敵な監督でした。

映画「夜行」は朝鮮族の若者がソウルで出会った若い女性に恋をし、彼女を守ってあげようとするも、かえって誤解されてしまうという内容でしたが、夜道で彼女を待っていたとき、彼女の雰囲気を察してか、「僕は朝鮮族じゃなくて・・・。」というせりふがあります。
このことについて、舞台挨拶の時に「休日」の女優さんから質問がありました。
監督さんからは「自分は他の仲間たちとは違うことを強調する意味で、あのせりふを言わせました。」という解答があったように思います。
かなり、曖昧ですが。
朝鮮族というのは、中国の北朝鮮よりの集落に古くからすむ人々のことを指すと思うのですが、その朝鮮族の人たちがソウルに出稼ぎに来ているというのを、私は、今回初めて知りました。
それは、日本にブラジル日系移民2世、3世の方たちが出稼ぎに来られているのと同じようなことなのでしょうか。
そんなことを思ったり、この「休日」の女優さんに映画を観たときから大注目していたので、質問されたこと自体に関心を寄せすぎてしまったりして、大切な監督さんのお話を聞き逃してしまったみたいです。
そのことに、今気づきました。

さて、この女優さんですが、カフェトークにも参加され、韓国の俳優さんは演技力のある俳優さんが多いといわれているが、韓国でもハリウッドのように基礎的な勉強をして俳優になるのが一般的なのか、その勉強が演技に生きているのかといった内容の質問をされていました。
監督さんからは、確かに韓国では俳優を養成する機関がたくさんあってある一定程度の演技力は高まっているが、それが演技の画一化にも繋がっている気がする、むしろ日本の役所広司さんなどの演技力がすばらしいと思うといった解答がありました。

ところで、この監督さんには私も質問させてもらいました。
この映画は、確か兵役を終えて初めて作られた作品で、兵役の前には、実験的な作品を多産していたと聞いたので、その実験的な映画がこの映画にどのように影響したのかということを、自分は主人公に感情移入したので、若い2人がはピーエンドになることを願ってみたが、やはりそれはかなわなかったという自分の感想を交えてお聞きしました。
監督は、第一声、「ありがとうございます。」と言われたので、それがどういう意味か、監督に私の意図がきちんと伝わっているか少し不安に思い、ことばの壁を感じましたが、今回の映画は、寧ろ、以前の実験的な作品の影響を残さず作ろうと努めたそうです。
実験的な作品は、観る者を精神的に疲れさせるという意味で怖い作品だったそうで、それを極力排除したと。
でも、実際は、その雰囲気がやはり映画の中に漂っていて、願ってもハッピーエンドにならないのは、私にも分かっていた訳なので、私は、この解答の中に、監督の覆うことの不可能な強烈な個性を感じました。

トークの週末に、監督が自分は天才ではないけれど、今後精進して秀才といわれる監督になりたいと言われるのを聞きながら、この監督から目が離せない!イ・サンヒョン監督のお名前を覚えておこうと思いました。


対して、ユン・ジス監督は東西大学のご出身ではありません。
プサンの別の大学(メモするのを忘れました^^;)のしかも、その学校にも映画学科はあったのですが、彼女は報道学科の卒業だそうです。
主催者の方から、イ・サンヒョン監督の東西大学の設備のすごさをうらやましいと思ったことはありますかという質問に対しての解答でこのことが分かりました。
私は、その時点でそれまでになされた監督の解答の根拠が理解できた気がしました。

監督は、主に、ドキュメンタリーを撮っていらっしゃって、この「親子」はそれまで祖父に冷たいと感じていた父親が、祖父がアルツハイマーになったことで、父の祖父に対する愛情が分かったので、この2人を追ってみようと思ったということでした。

主催者から、ドキュメンタリーというと、膨大なフィルムの中から選択して編集しなければならないと思うのだが、どのような意図で選択していったのかという質問にたいして、監督の撮影はあらかじめどんなシーンを撮るか決めて行ったので、寧ろ編集作業は大変ではなかったという解答を聞いたとき意外に思いました。
なぜなら、私自身、中学生が作る番組でさえ、撮影量が多くて編集作業がたいへんだったからです。
でも、私の浅い経験からではありますが、報道の出身なら、それが理解できると思いました。
前任校で放送部を担当していたとき、全部で三度テレビ局に取り上げて頂きました。
はじめに子どもたちの番組作りに密着取材をしてくださったのは、NHKの報道でした。
3回の取材でした。
その時、担当記者さんが子どもたちに、取材に無駄が多いとアドバイスしてくださいました。
あらかじめ、撮りたい場面を付箋に書いていってそれを並び替えたり、削除したりしながら、大まかなアウトラインを作り、それに従って撮影していくと、フィルムも時間も無駄にならないというお話でした。

次に取材してくださったのは、やはりNHKの制作の方でした。
何と取材は足かけ3ヶ月にも及び撮影の回数は数え切れないくらいに及びました。
一度編集作業を見せて頂きましたが、膨大な資料の中から迷いながらの取捨選択の様子が手に取るように分かりました。
後に、この違いが報道と制作の違いなのだとお聞きしました。
民放の報道に至っては、「先生、○○のシーンが欲しいので、撮っておいて頂けますか。」とさえ言われました。

話を、ユン・ジス監督に戻すと、監督は大学ではテレビのドキュメンタリー映像を勉強したけれども、映画の魅力にとりつかれて、映画監督になることを決意されたそうですが、報道のご出身が故に、報道の撮り方、つまり無駄のない撮り方をしていらっしゃるのだなと解釈しました。
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